6年国語「時計の時間と心の時間」実践編1
4月30日に「時計の時間と心の時間」の学習に本格的に入った。
入る前に一人3回以上の音読。意味調べ。30秒当てゲームの体験。これだけを済ませている。
1時間目の課題は
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初発の感想を書こう。
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である。
課題を確認して、まずは音読。
一斉音読1回、隣の人と声を合わせて1回、立って一人で1回、座って1回読むように言う。1回読む度に題名の横に書いた○を塗りつぶして●にする。
立って読んでいた子が座り始めて、全員が座ったところで、音読の終了を告げた。(全員が3回は読んだことになる。)
感想を書かせるに当たっては、子どもたちの実態を捉えるための項立ては必須である。
今回は次のようにした。
〈すごい!なるほど!と思ったところ〉※
〈本当か?と思ったところ〉※
〈分からないところ〉
〈初めて知ったところ〉
※「!」「?」は国語の表記としては正しくないが、それよりも記号がもつニュアンスによって、子どもたちの実態をより正確に捉える方を優先させた。
この4つである。実際知りたいのは初めの2つで後の2つは早い子と遅い子の時間差を埋めるための意味が大きい。前単元の「カレーライス」でも示したように、なければ「ありません」と答えてもよい。
この作業には20分程を要した。子どもたちはそれほど抵抗なく鉛筆を走らせていたように見えた。
まだ10分ちょっとあったので、段落に番号をつけ、8つの段落を「はじめ、中、終わり」に分け、「中」にいくつの例があるか確認した(4つ)。
この時間は「感想が書ければ合格」である。これも「自分の考えをもつ」ための小さなステップと考えてよい。ノートを提出させた。
放課後、子どもたちのノートを確認した。
子どもたちの「すごい!」「なるほど!」「本当か?」は、「中」(3〜6段落)に集中していた。
3段落《感じ方によって変わる例》
「すごい・なるほど」11人、「本当か」3人
楽しいことをしていると時間がたつのが速いというのは多くの子どもたちが納得できるようである。
4段落《時間帯によって変わる例》
「すごい・なるほど」1人、「本当か」6人
30秒当てゲームを事前にしたので、自分の結果と一致しないことに疑いをもっている子が何人かいるようである。
5段落《刺激によって変わる例》
「すごい・なるほど」2人、「本当か」10人
「本当か」に10人いる。「僕の家は物がいっぱいあるけど、時間の進み方は遅くない」と書いている子もいた。体感しにくいこの結果に疑いをもつ子が多いのは、読めている証拠である。
6段落《テンポよって変わる例》
「すごい・なるほど」6人、「本当か」6人
これも、「なるほど」とも思えるし、「本当か」と疑いたく気持ちも分かる。
全体的な傾向として「よく読めている」印象を受けた。
また、一人一人の内容を見ても内容を誤解しているような記述も見当たらなかった。
「ありません」と部分的に答える子はいたが、他の部分を見れば、内容を捉えていることが伺えた。
また幸いなことに、筆者の結論部分に「なるほど」と感じている子は皆無である。
理想的とも言える状態で授業に入ることができたと思う。
この学習では、『「心の時間」のズレが生む事件「こんなのあるある」大辞典(仮)』を作ることによって、筆者の結論(意図?)を実感させ、自分なりの考えをもたせることがミッションである。
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