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6年国語「時計の時間と心の時間」実践編3

5連休の宿題にしていた「心の時間のズレが生み出すトラブル調べ」が書かれたノートに休み時間、目を通した。

なかなか見つからなかった苦しさが文面から伝わってくる。全体的に似たようなエピソードが多くなってしまうのは、仕方がないところだろう。
逆に言えば、この教材で難しいのは「ここ」なのである。この部分に実感を伴った共感ができなかったら上滑りである。
P41L9「また、人それぞれに『心の時間』の感覚がちがうことを知っていれば、他の人いっしょに作業するときも、たがいを気づかいながら進められるかもしれません。」
という文の意味を表面的に捉えてほしくない。
ここは苦しくてもしっかりクリアしたいところである。
 
今日の課題を確認する。
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心の時間のずれ事件簿を作ろう。
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(教材研究の時は「こんなのあるある大辞典」と書いていたが、最終的に「事件簿」がしっくりきた。)
プリントを配布する。
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宿題で調べてきたトラブルをここに書くように言った。4マスあるが、目標は3つ以上である。
『この学習によってみなさんが、筆者の考えを、より実感をもって理解できるようになると思います』と簡単に学習の意義を説明した。
 
書き方は「カレーライス」の話を例に、
「お父さんコンセント引き抜き事件」と題名を付けて、事件の内容を黒板に例文として書いた。
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「事件の内容」の次に、「原因」を書くように言った。「ゲームをしているひろしは楽しくて時間が過ぎるのが遅く、ゲームを止めさせようという父親はイライラして時間が過ぎるのが速かったのが原因と思われる。」とこれも例文を示した。
ここは難しいのでさらにヒントを書いておいた。
・急いでいる…(時間の進み方は)遅い
・楽しい、夢中…速い
・待っている…遅い
などである。
その他、登場する人は実名でも仮名でも「ぼく」でも、少年A(12)でもよいと言った。
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ここまで説明して『さあどうぞ』と言ったが子どもたちはなかなか書き始めることができなかった。
『友達と相談しても立って他の人のを見に行ってもいい』と可能な限りハードルを下げた。
机間指導で書き方を教えたり、アドバイスしたり、ほめて自信をもたせたりと支援をして15分くらいしてやっと鉛筆が動くようになってきた。
しかし1時間終わって1つも書けなかった子が3人いた。宿題をしてこなかった子、してきたけど「心の時間のずれ」ではないトラブルを書いてしまった子だった。
20分延長して『目標3個』を書かせ、できなかった分は宿題とした。
ただ、できるか心配な子は放課後に残してさせた。
 
明日はこのプリントを回収して、全員分を縮小して印刷する予定である。事件の数は100に届きそうにないが、できあがった事件簿を読んで、子どもたちの中に「何か」が生まれることを期待している。
それが「心の時間のずれ」を埋めるための一人一人の考えであれば、この学習は90%以上成功だと思う。
 
明日の学習は事件簿の印刷が間に合わないので、一度本文に戻り筆者の考えを確認する時間としたい。
 

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