授業をシンプルに楽しく。 教育をシンプルに楽しく。

シンプル授業の作り方《初級編》(3)作文

ここで扱う作文は、国語の作文単元のものではなく、行事の後に書かせる生活作文や、お礼の手紙などの日常的なものです。作文の指導も、「ねらい」「学習課題」「学習活動」「評価」に一貫性をもたせて組み立てることでシンプルに教えやすくなります。 まず、…

シンプル授業の作り方《初級編》(2)音読

初級編(2)は「音読の指導」です。ここでは中学年を想定してみましょう。 まずはねらいを考えます。そもそも音読の目標とはなんでしょう。 学習指導要領によれば、中学年は「内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読すること」。ちなみに、低学年は…

シンプル授業の作り方《初級編》(1)漢字

ここからは、実際の授業づくりを考えてみましょう。 初級編(1)は「新出漢字の指導」です。ここでは低学年を想定してみましょう。 ねらいは「新出漢字を正しい筆順で書けるようになる。」と設定します。これは学習指導要領にも「点画の長短や方向,接し方…

一貫性をもつ②(シンプル授業づくり)

シンプル授業を目指す中で、陥りやすいのが、「ねらいのぶれ」です。 ねらいがぶれることで、一貫性が保てなくなります。 なぜ、ねらいがぶれてしまうのかと言うと、ねらいが絞りきれないことに原因がある場合が多いです。 例えば、次のようなねらいを設定し…

一貫性をもつ①(シンプル授業⑦)

《授業の基本構成》 ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価 ここまでで、授業をシンプルにするための「ねらいの設定」「学習課題」「学習活動」「評価」の留意点を述べました。 ・ねらいを明確にし、するべきこととしなくてもよいことを明らかにする。 ・ねら…

「学習課題」を設定する(シンプル授業⑥)

《授業の基本構成》 ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価 ここまでで、 ねらいを明確にし、するべきこととしなくてもよいことを明らかにする。 ねらいを達成するための学習活動を自由な発想で考える。 子どもたちが自信や達成感をもてる評価をする。 という…

「評価」を考える(シンプル授業づくり⑤)

《授業の基本構成》 ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価 「学習活動」の次は「評価」になります。 「学習課題」を抜かしていますが、これは授業の要ですので、教材研究の段階では、最後に決めても遅くはありません。 1年生の鉄棒、「足抜き回り」で評価を…

学習活動を設定する(シンプル授業づくり④)

《授業の基本構成》 ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価 授業の基本構成から考えれば、「ねらいの設定」の次は「学習課題」となりますが、教材研究の中では、「学習活動」を先に考えた方がスムーズな場合が多いです。 先の1年生の鉄棒で考えてみましょう…

ねらいを明確にするということ(シンプル授業づくり③)

私は、授業をシンプルにしたいと考え、授業の構成要素を削り取れるところまで削り取ってみました。 そこに浮かび上がってきたのはこれだけです。 ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価 私たちが普段行っている授業も程度の差こそあれ、概ねこのような形にな…

素晴らしい授業とは?(シンプル授業づくり②)

あなたにとって素晴らしい授業とはどんな授業ですか? イメージしてみてください。 子供たちが生き生きと活動する姿。 楽しそうな子供たちの表情。 天井に突き刺さらんばかりの挙手の手、手、手・・・。 一人の発言者の言葉にじっと聞き入る子供たち。 教室…

あなたは自分の授業に満足できていますか?(シンプル授業づくり①)

あなたは、毎日の自分の授業に満足できていますか? 「自分で満足できる授業は年間通しても1つか2つくらいかなあ。」 そんな答えが返ってきそうです。私もかつてはそうでした。 しかし、これは逆に言えば、毎日が「失敗の連続」ということです。 失敗体験…

「国語教育」に掲載されました

「国語教育」12月号に私の書いた「課題ボード」の実践が掲載された。 テーマは『授業に引き込む導入の工夫』 その『板書編』ということで7月に原稿依頼があった。 私は「驚異の板書ツール『課題ボード』入門」という本を出したが、板書そのものは驚異的に苦…

「課題ボード」実践発表

昨日、某研究会の開催する講演会で実践発表をする機会をいただいた。 30分の発表であったが、課題の作り方、評価の仕方などについて、自分の普段の実践を交えて話をした。 160人程の参加者があり、小さなホールの半分くらいが埋まっていた。 書籍販売コーナ…

6年社会「世界に歩み出した日本」実践編

歴史の学習も明治時代あたりに入ると、講義形式の学習が多くなってしまう。 たまには子どもたちが調べる学習もしたい。 (そしてその間ちょっとのんびり教材研究などしたい!) そんなある日の課題 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日本が行った5つ…

6年社会「自由民権運動」実践編(後)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー きゅうすは、だれからだれに投げられたのだろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 子供たちがグループで話し合った意見はおおむね きゅうすは聴衆から警察官に投げられた。 弁士が言いたい…

6年社会科「自由民権運動」実践編(前)

拙著学習課題の見える化で学力アップ! 驚異の板書ツール「課題ボード」入門 では、学習課題の一つの分類として、「知識・理解型」「思考・判断型」「表現型」「技能型」を挙げ、それぞれに典型となる表現を例示した。 知理「〜を知ろう。」 思判「〜について…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編6

「やまなし」の「本の紹介カード」を書く時間が全く取れていなかったので、不本意ではあるが1時間追加してカードを書いた。 今日の課題 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「やまなし」の本の紹介カードを書こう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編5

この時間は、研究授業である。 「やまなし」5時間目。最後の授業となる。その後は3時間で宮沢賢治の他の童話の「紹介カード」を書く学習に移る。 残念ながらここまでで0.5時間×2の延長があり、全8時間で「やまなし」「イーハトーヴの夢」を教え切るという…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編4②

4時間目の最後に子供たちがノートに書いた「十二月」を通して賢治が伝えたかったこと。 「生き物や食べ物、どんなものにも命のつながりがあり、続いていることを伝えたかったのだと思う。」 「賢治は命のつながりを伝えたかった。」 「やまなしは自分から食…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編4

今日の課題 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「十二月」の場面を通して、賢治が伝えたかったことを考えよう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「十二月」を一読後 前時の振り返りをする。 『…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編3.5

「五月」が45分で終わらなかったので、延長を20分認めていただきたい。 まず前の時間に子どもたちがグループで書いたかにの子供たちがこわがっている理由を掲示した。 「かわせみのスピードに驚いた」 「こわいところに自分も連れて行かれると思った」 「食…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編3

「五月」「十二月」の象徴性に気づかせる学習に入る。 普通はそれだけで5、6時間はかかる内容である。 それを2時間でやろうとしているのだ。 しかし 私は目的のためには手段は選ばない。 なのでここは1問1答の問答で授業を進めようと思う。 さらに教師の解釈…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編2

「やまなし」「イーハトーヴの夢」シリーズをずいぶん書いたが、授業はまだ2時間目である。 今日の課題 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 本の紹介カードの「作者の紹介」に書く内容を考えよう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」教材研究4

教材研究2でも触れたが、全体計画の3時間目と4時間目に、「やまなし」の優れた表現に気づかせる学習をしなければならない。そのイメージがどうにも浮かんでこなかった。 だが1時間目に子供たちに「いいなあ・好きだなあ」と思うところを書かせることによっ…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編1

さあ1時間目! まず子供たちに8時間の授業の全体を示す。 ただし③④は授業の形が自分でもはっきりしていないため、あいまいな表記にした。 そしてゴールの形「本の紹介カード」も見せる。 私が例として書いたものを、印刷して全員に配った。 このカードの中に…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」実践編0

今回は実践編0。つまり授業前の実践である。 8時間しかない授業時間を有効に使うために、事前にある程度の学習が必要である。 シルバーウイークの宿題にプリントを3枚作成した。 「やまなし」ワークシート 「イーハトーヴの夢」ワークシート イーハトーヴ…

6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」教材研究3

10月上旬の研究授業に向けて、教室では「やまなし」の音読を始めた。課外や隙間時間、宿題などで少しずつ読んで物語になじませたい。同じように「イーハトーヴの夢」も読み始めないといけない。 8時間という限られた時間の中で効率よく学習を進めるための事…

運動会の作文

先週末に運動会があり、週明けの昨日、運動会の作文を書いた。 こんな生活作文でも、国語のねらいを意識すれば、指導ができ、学びも生まれ、評価もできる。 今日の課題 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自分が伝えたいことに合った書き方…

6年国語「せんねん まんねん」実践編

1時間で完結の予定であるが、やってみないと分からない。 「せんねん まんねん」の音読は、前時に3回ほどやった。 まずは音読2回。 課題を示す。 ーーーーーーーーーーー 表現の工夫を見つけよう ーーーーーーーーーーー そして、表現の工夫の例として 繰り…

6年国語「せんねん まんねん」教材研究

いつもならこのような詩の学習は読んで終わりの私である。 読まずに終わる時もある。 それを1時間、がっつりやる気になったのは、この後「やまなし」を控えているからである。 「やまなし」で『本の紹介カード』に、表現の工夫とその効果について扱う予定な…