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6年国語「学級討論会をしよう」教材研究(1)

指導書には5月中旬予定のこの教材に私はまだ取りかかれずにいる。

何とも指導者泣かせの教材であると思う。
いくつもの難しさが無造作に詰め込まれている。
 
〈難しさ1〉場の設定の難しさ
グループ対抗の討論である。グループの人数の設定が重要になる。教科書では「5人ずつ」となっているが、5人では「何もしない子」が出る可能性が高いと私は思う。2人ではペアの相性が悪かったら学習が進まない。3人か4人がベストのような気がするがそれでも「何もしない子」「相性」の問題は生じうる。
 
〈難しさ2〉評価の難しさ①
例えば35人の学級で3人のグループを作ったら11〜12グループができる。教科書通りの設定で行えば4グループ(司会、肯定、否定、聞く)1組として、3カ所での話し合いが同時進行することになる。教師はこれをどう評価するか。
 
〈難しさ3〉評価の難しさ②
例えば3人のグループの中にすぐにふざける子がいて、そのために話し合いがうまく進まない場合、同じグループにいる子は自分の力を出し切れず、適切な評価を受けられない。また、相手グループも力を出し切れない場合もあるだろう。その子らは低い評価のままでよいのか。
 
〈難しさ4〉評価の難しさ③
この討論を教科書通りに行えば「質疑応答」がある。グループで何を質問するか相談することになる。例えばA、B、Cの子がいて、AとBが話し合って質問を考え、Cが教えてもらった通りに発言したとする。この質問が非常に適切でお互いの考えを広げた場合、Cの子を「よくできた」と評価してよいか。教師は3人の相談場面を見ておらず、Cが発言したという事実しか分からない。また、その場合のA、Bの評価はどうするか。
 
〈難しさ5〉議題の難しさ
教科書の「学級文庫にまんがを置いてもよいか」という議題は非常に秀逸であると思う。しかし、残念ながらその他の議題が教科書にない。以前の教科書にはあった。「討論会の話題例」として次の7つが挙げられている。
・あやまるときは、電話よりも手紙がよい。
・物語は、テレビや映画で楽しむよりも本で楽しむ方がよい。
・動物園にいる動物は幸せである。
・朝食は、ご飯よりパンがよい。
・夏休みに遊びに行くなら、海よりも山がよい。
・ペットを飼うなら、ねこよりも犬がよい。
・スポーツをするなら、団体競技よりも個人競技がよい。
私はこれらを読んでいて、光村図書は恥ずかしくないのかと思った。
「ねこか犬か」「ごはんかパンか」「海か山か」
そんなのどっちだっていいだろう!
と思った。
きっと恥ずかしくて削除したのだと思った。
しかし・・・・・・もしかしたら、「ねこ犬」「ごはんパン」「海山」の方が活発に意見の交換が行われるかもしれない。
要はねらいが達成しやすいのはどちらかということである。これは悩みどころである。
 
これらの問題に答えを出すのに時間がかかってなかなか授業に入れなかったが、自分なりの答えがまとまった。
それは次回に。
 
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