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6年国語「学級討論会をしよう」教材研究(2)

まずねらいを明確にする。

教科書に出ているねらいは

「立場を明確にして主張し合い、考えを広げる討論をしよう」

である。

学習指導要領ではどうか。

互いの立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合うこと。

言語活動例として

調べたことやまとめたことについて,討論などをすること。

とある。

中学年のように「司会や提案などの役割を果たしながら,進行に沿って話し合うこと」がない。つまり、教科書にあるように「司会・記録・時間管理」は必要がないことが分かる。司会は教師がやってもよい。

それでは、前回の6年国語「学級討論会をしよう」教材研究(1)で挙げたこの教材の5つの「難しさ」に対する私の答えを示したい。

 

〈難しさ1〉場の設定の難しさ
グループの人数は3人か4人にする。私のクラスは30人で教室の廊下側列が10人、中央列が10人、窓側列が10人なので、それぞれを4人、3人、3人に分ける。
 
A3 A2 A1 (A4人)
B3 B2 B1 (B3人)
C3 C2 C1 (C3人)
 
討論は3回に分ける。
1回目 肯定A 否定B 聞くC
2回目 肯定B 否定C 聞くA
3回目 肯定C 否定A 聞くB
司会・時間管理は教師が一斉に行う。
 
〈難しさ2〉評価の難しさ①
3カ所での話し合いが同時進行することになる。教師はこれをどう評価するかという問題がある。私の場合は「聞く」のグループに誰が何を発言したかを記録させることで補う。もちろん、教師は討論を直接観察もするが、見切れないところは記録で補う。また、討論後の振り返りで、「中心になって話を進めていた人は誰ですか」などの質問で見切れない部分を明らかにする。
 
〈難しさ3〉評価の難しさ②
3・4人グループの中で話し合いが苦手な子や、進行の妨げになる言動をする子がいる場合、周辺の子が力を出し切れず、適切な評価がしづらい問題がある。そこで、第2回討論会ではグループをシャッフルしてメンバーを替える。
 例えば、先のこのグループ分けの場合
A3 A2 A1
B3 B2 B1
C3 C2 C1

この例で言えば、第1回の話し合いが終わった後、A、B、Cそれぞれ3グループの中でメンバーをシャッフルしても、学習には差し支えがない。こうすることで「だれかのせいで力が発揮できない状況」を緩和させる。

 
〈難しさ4〉評価の難しさ③
グループにa、b、c、dの子がいて、aとbが話し合って内容を考え、cが教えてもらった通りに発言した結果、そのグループの主張が認められた場合、cの子を「よくできた」と評価してよいかという難しさがある。
これは私はよいと判断する。cは討論会において、相手方に内容を伝える役割を果たしているからである。もちろん、aとbも「よくできた」とする。つまりグループ全体の成果を個人の成果にそのまま置き換えてもよいと考える。その場面では何もしていなかったが、他の場面で役割を果たしたdも「よくできた」とする。ただし、明らかに役割を果たしていない場合は個別に減点もある。
組み合わせによるプラスマイナスを緩和するためにも、途中のメンバーシャッフルは効果的である。
 
〈難しさ5〉議題の難しさ
学級文庫にまんがを置いてよいか」というシリアスな議題か。
「ねこ・犬」「ごはん・パン」「海・山」のように軽い議題か。
どちらがねらいの到達に効果的なのかは判断がつかなかったが、私はシリアスでいこうと思う。
例えば
「宿題は、自主学習中心か、先生が決めた内容中心か。」
「将来のために、しっかりやらなければいけないのは、国語か、算数か。」
などである。
 
もう少し細かな準備をして、実践は来週からとなる。