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6年国語「学級討論会をしよう」実践編5

「学級討論会をしよう」5時間目。

今日は、第2回討論会である。

第1回討論会の反省をふまえて、今日の課題は次のようにした。

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グループで考えて論を戦わせよう。論をまとめよう。

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議題は

『6年生の3学期は月曜日も6時間目まで補充学習をすればよい』という意見に賛成か、反対か。

Bグループ 賛成

Cグループ 反対

Aグループ 討論を聞く

 

黒板に進行プログラムを書いた。

 
1 初めの主張(B、C)
2 質問(B、C)
3 応答(C、B)
4 最後の主張(B、C)
5 まとめ(A)
 
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A3グループの記録をもとに、討論の様子を紹介する。
 
B3の初めの主張
「補充学習をするという意見に賛成です。中学に行ってもついていける力をつけるためです。やるのは数学がいいと思います。難しくなるし、集中力もきたえるためです。」
C3の初めの主張
「補充学習をするという意見に反対です。いやいややっても、ためにならない。目も悪くなるかもしれないし、運動する力も落ちる。」
B3の質問
「運動する力が落ちるというなら、補充学習で体育をすればいいのではないですか。」
C3の質問
「数学を1時間増やしたところで、中学校の学習についていける保障はあるのですか。」
C3の応答
「体育ばかりしても解消されない。体育だって1時間増やしたところで解消されない。」
B3の応答
「1時間でも小さな積み重ねが大事です。効果はあると思います。」
B3の最後の主張
「難しくなる数学についていけるように補充学習をすればいいと思います。」
C3の最後の主張
「3学期は本格的な冬なので、健康を大切にして、早く帰って温かくして宿題をすればいいと思います。勉強のしすぎでストレスがたまるのもよくないと思います。」
A3のまとめ
「Cグループの方により説得力がありました。小学生のうちはスポーツなどをして体を動かすことや、健康第一という気持ちが伝わってきました。小学生にしかできない思い出をつくるのも大切だと思います。しかし、Bグループの中学校に行って勉強についていけるように意見もよかったです。だから、中学校の学習についていけないと思う人は休日などに、家で自主学習をして自信をつければよいと思います。どうでしょうか。」
 
「数学をしなければ」と主張するB3が、質問であっさり「体育をすればいい」と主張を下げてしまっているのが惜しい。「積み重ねが大事」という意見は説得力があるが、最後の主張が最初の主張から強まっていないのが残念である。〈評価B+〉
C3は「1時間増やしても成果は見込めないので、体と心を大切にした方がよい」という主張が全体的に表れている。初めの主張と最後の主張がかなり変わってしまったのがちょっと残念。〈評価A−〉
 
A3の「まとめ」の中に「小学生にしかできない思い出をつくるのも大切だと思います。」という言葉があったのが、担任としてはうれしい。それを抜きにしても、このまとめはAと評価していいだろう。
 
さて、この学習はほぼ2時間分を要した。
1 初めの主張、2 質問、3 応答、でほぼ1時間
4 最後の主張、5 まとめ、でほぼ1時間
 
プログラムが進む度に相談タイムが生じるが子どもたちはけっこうじっくり考える。
特にかかるのが最後の「まとめ」である。20分から30分くらいかかる。それくらいの課題であると思う。
その代わり、A3のまとめのように、最後にしっかりとした結論にたどりついているのが分かる。
一生懸命考えている子どもたちを急かすのも忍びない。
 
このペースで学習すると、第3回討論会にも3時間を要し、全部で9時間になる。指導書の予定では8時間なので、1時間のオーバーであるが、その分、子どもたちには力になっていると信じたい。