「学習課題」を設定する(シンプル授業⑥)
《授業の基本構成》
ねらいの設定→学習課題→学習活動→評価
ここまでで、
- ねらいを明確にし、するべきこととしなくてもよいことを明らかにする。
- ねらいを達成するための学習活動を自由な発想で考える。
- 子どもたちが自信や達成感をもてる評価をする。
という流れで授業の大きな流れを組み立ててきました。最後は、「学習課題」でこの流れに軸・背骨を入れて、全体を支えます。
1年生鉄棒「足抜き回り」で考えてみましょう。
ねらいからそのまま下ろせば、
[足抜き回りができるようになろう。]
ということになります。これでも十分です。
でも、子どもたちの中にはもうできている子もいるのです。全員が意識できる課題が望ましいです。
[今より上手な足抜き回りができるようになろう。]
[かっこいい足抜き回りができるようになろう。]
[自分の足抜き回りをかっこよくしよう。]
[ピョンピョン連続足抜き回りを目指して練習しよう。]
このように現在よりも上達することを学習課題にすれば全員が意識することができます。ただ、「ピョンピョン連続足抜き回り」のように、最高のレベルを目標にすると、多くの子が「できなかった」という思いをもってしまうかもしれません。最後の評価で自信をもたせるためにはあまり高いレベルを目標にするのは得策とは言えません。
もし、運よくオリンピック選手にゲストティーチャーに来ていただけたら、子どもたちに意識させる学習課題にします。
[内村航平選手の教えをよく聞いて、足抜き回りが上手にできるようにがんばろう。]
また、視聴覚教材等で、足抜き回りのレベルを「名人」「達人」「上級」「合格」などと分けて示すことができれば、
[自分の足抜き回りのレベルを上げよう。]
[足抜き回りの上のレベルを目指してがんばろう。]
などと、シンプルに目標を示すことができます。
子どもたちが、この時間に何をすればよいか、何を目標にすればよいかを分かりやすく明示するのが学習課題です。
さて、具体的な学習課題の設定の方法については、後で詳しく説明するとして、学習課題をより効果的に子どもたちに示すツールがこのブログで紹介している「課題ボード」です。
深緑色の黒板に、白地に赤枠の課題ボードに水性ペンで課題を書くと、否応なしに、子どもたちの目に飛び込みます。
したがって、課題を書く教師も、いい加減なことは書けないという構えになります。
子どもたちは課題に書かれたことを意識して1時間の学習に取り組みます。
シンプル授業には非常に有効なツールとなります。

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