6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」教材研究4
教材研究2でも触れたが、全体計画の3時間目と4時間目に、「やまなし」の優れた表現に気づかせる学習をしなければならない。そのイメージがどうにも浮かんでこなかった。
だが1時間目に子供たちに「いいなあ・好きだなあ」と思うところを書かせることによって、一つのヒントが浮かび上がってきた。
放課後、黒板に残っていた子供たちの意見を分類したところ、5つの種類に分かれたのだ。
青、黄、オレンジ、赤、緑に分けて仲間分けをした。
青は、表現の美しさ
黄色は、やさしさ、温かさ
オレンジは、ユーモア、面白さ
赤は、恐怖、緊張
緑は、期待
実際の緑は「やまなしはあと2日たてばひとりでにおいしいお酒になるところ」という意見で、最初は分類名がつけられず、黒板には「お酒」と書いた。あとで同僚に「期待じゃない」と言われ納得した。
オレンジ色・・・ユニークさと書いてありますがユーモアの間違いです。
学習指導要領解説には
『「優れた叙述について自分の考えをまとめる」とは,場面の展開に沿って読みながら,感動やユーモア,安らぎなどを生み出す優れた叙述に着目して自分の考えをまとめることである。』
とあるが、「感動やユーモア、安らぎ」以外に優れた叙述の例が示されていない。
そのことが、学習活動を明確にできない原因の一つだったが、驚いたことに、子供たちの意見の中から、5種類の具体的な視点が明らかになった。
学習指導要領の「優れた叙述」というのも、漠然とした表現である。しかし、こうして考えてみれば、「優れた叙述」とは、読み手をひきつける叙述、いや読み手をひきつけようと作者が意図して表現した叙述といえないだろうか。
子供たちは何も教えなくても「表現の美しさ」「温かさ、優しさ」「ユーモア」「恐怖、緊張」「期待」をもたらす叙述を見つけた。
この子供たちをさらに高めるためには教師は新たな視点を与えなければならない。
ならば私は「象徴性」を子供たちに教えよう!
実は「象徴性」こそが「やまなし」を読み解く切り札である。
学習指導要領解説にも
『象徴性や暗示性の高い表現や内容、メッセージや題材を強く意識させる表現や内容などに気付き、それらを評価したり、自分の表現に生かしたり、感想文や解説文などにまとめたりしていくことになる。』
とある。(私が学習指導要領を書く立場だったらこんなにレベルの高いことは小学生には求めないだろう。)
今回はこのゴールに真っ向から挑戦してみたい!
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