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6年国語「やまなし」「イーハトーヴの夢」教材研究3

10月上旬の研究授業に向けて、教室では「やまなし」の音読を始めた。課外や隙間時間、宿題などで少しずつ読んで物語になじませたい。同じように「イーハトーヴの夢」も読み始めないといけない。
8時間という限られた時間の中で効率よく学習を進めるための事前音読は必須である。
 
さて、「単元を貫く言語活動」の指導案を初めて書いた。はじめの部分だけ掲載するので、参考にされたい方はどうぞ。
 
 
第6学年 国語科学習指導案
 

1 単元名

おすすめの作品の魅力を本の紹介カードで伝えよう「やまなし」「イーハトーヴの夢」
 
2 単元について 
・ 本単元は、「やまなし」を題材に、場面の描写を捉え、表現を味わいながら、優れた叙述について自分の考えをまとめることをねらいとしている。「やまなし」は一般的な起承転結の物語とは違い、一読しただけでは主題や作者の意図がつかみにくい。「クラムボン」「イサド」等の造語、幻想的な描写も、物語の独特な世界を作り出している。反面、深く読み込めば宮沢賢治独特の世界観が反映されていることに気付かされる。宮沢賢治の他の作品を読むことで、賢治の作品に共通して流れる世界観に触れさせたい。そこで、「イーハトーヴの夢」を読み、児童が宮沢賢治について知り、賢治の作品をより深く理解するための手がかりとなるようにしたい。
・ 児童は6年生になって「読む」に関わっては「カレーライス」と「私と本」「森へ」の学習を行った。「カレーライス」では登場人物の心情を捉え感想をまとめる学習を行い、「私と本」「森へ」では自分と本との関わりについて考え、「森へ」の推薦文を書く学習を行った。どちらの単元でも最後に自分の考えを書くことで、物語全体を見直し、作品をより深く理解しようとする児童の姿が見られた。ただ一方で、書くことが苦手でなかなか自分の考えをうまく表現できなかったり、読みが十分でなくありきたりの感想や推薦文しか書けなかったりする児童もいた。
・ 本単元を貫く言語活動として「本の紹介カード」を書いて宮沢賢治の物語を紹介することを位置付ける。紹介カードには「題名」、「作者(宮沢賢治)の紹介」「最も魅力的な場面(絵)」「最も魅力的な場面(引用、解説)」を盛り込むこととする。特に「最も魅力的な場面(引用、解説)」を書く際には、自分が気になる場面の様子を、描写や表現を味わいながら十分に想像するだけでなく、比喩等の表現上の工夫に気付かせていきたい。このことによって、本単元でねらう、「場面の描写を捉え、表現を味わいながら、優れた叙述について自分の考えをまとめる」ための言語活動となると考える。