授業をシンプルに楽しく。 教育をシンプルに楽しく。

6年社会「歴史」の学習課題

歴史の学習はなかなか楽しい。

つい、じっくりやって時間が足りなくなる。
6年生を担任すると毎回この失敗をしているのに、今年もやってしまった。
年間計画を確かめたら今は「鎌倉時代」あたりのはずである。
私の教室と言えば今日「奈良時代」が終わったところだ。
1192年(いい国つくろう)ー794年(なくよ坊さん)
ざっと400年のビハインドである!
 
言い訳をさせていただけるなら、私は決してのんびりじっくり進めているわけではなくて、行事等で社会科がつぶれてしまう頻度が高いのだ。
 
今回は急ぎながらも、子どもたちに考えさせる要素を取り入れた歴史の学習課題を紹介したい。
 
さて、歴史学習でよく使われる学習課題は
「○○時代の人々の様子を調べよう」
と言って、教科書や資料集で与えられたテーマについて調べるものだが、これをするとなかなか授業が進まない。
そこで、これらの調べ学習は家庭学習で行うようにする。
例えば、
大化の改新とは何か。どのような変化があったか調べよう。』
奈良の大仏の正しい作り方を調べよう。』
などである。
そして、授業ではそれらを発表させたり、教科書を読んで確かめたりして、板書で整理し、教える。
教師主導の実につまらない授業である。
しかし、要点は押さえないといけないのでしかたがない。
私はそこに子どもたちが考えざるを得ないような要素を少し加えるようにしている。
例えば聖徳太子の学習であれば
単に「聖徳太子の政治について確かめよう」とするのではなく、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
聖徳太子のすばらしさとは何だったのか考えよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とする。
授業は教師主導で事実を確認し、ノートに写すだけのものなのだが、最後に一人一人がノートに〈自分の考え〉と項立てて、聖徳太子のすばらしさとは何だったかを書く。
ある子は、若くして日本の中心となったことをすばらしいととらえる。
また、ある子は、17条憲法の根底に流れる太子の思想をすばらしいととらえる。
 
大化の改新」の学習ではこのようにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大化の改新が日本の歴史の大事件である理由を考えよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これも授業は普通であるが、最後に自分の考えを書くことを要求する。
ちなみに書く時は、友達と相談してもよいし、最後にはノートを見合う時間も取る。こうやって学び合う要素を取り入れる。
 
昨日の奈良時代の学習課題
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なぜ、こんなに大きな大仏を作ったのだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
実に、教科書6ページを読んで黒板にまとめ、子どもたちに写させ、最後に〈自分の考え〉を書かせた。
授業は子どもたちにとってはつまらないものだと思うが、私は要所で聖武天皇の思いが伺える部分を強調して教え、最後に子どもたちが事実をもとに判断できる要素を作っておいた。
子どもたちはノートに「国民が力を合わせるためには大きな大仏じゃないとだめなんだと考えたのだと思う」「大仏建立の詔を読むと人々に無理矢理やらせようといていないから本当に平和になってほしくて大きな大仏を作ったんだと思う」という意見から「何度も都を移して人々に負担をかけているので、わがままで作らせたんだと思う」「古墳と同じで自分の力を示したかったんだと思う」という辛口の意見まで色々である。「正解」はない。自分の考えがもてることが大切である。
事実を記憶するよりも、事実から考えをもつことが大切な時代にとっくに変わっている。
何時間もある歴史の学習の中で、自分の考えをもつ機会を少しでも作っていきたい。

f:id:KadaiBoarder:20150609063650j:plain