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6年国語「カレーライス」実践編6

先週、自分の人間ドックや全国学調やその他いろいろな理由で国語の授業ができず、「カレーライス」の最後の感想をまだ書かせていないままだった。

「カレーライス」6時間目。

課題ボードに次のように課題を書いた。

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線を引いたり、会話したりしたことを思い出しながら感想をまとめよう。

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作文のフォーマットを次のように提示した。

題名はシンプルに「『カレーライス』を読んで」

1段落は主人公に共感したことを書く。

「ぼくが、ひろしの気持ちに共感できたのは・・・」

「私が、ひろしの気持ちで分かるなあと思ったところは・・・・」

という書き出し例を示した。

そう思った理由や、自分の経験を書くように言った。

2段落は、主人公に共感できなかったことを書く。

「逆に、共感できなかったところは・・・」

「逆に、分からないなあと思ったところは・・・」

という書き出し例を示した。

1段落同様、そう思った理由や、自分の経験を書くように言った。

3段落は、全体的な感想をまとめる。

例として

・いいなあと思ったところ

・自分とひろしを比べて思ったこと

・自分のことで気づいたこと

・ひろしのことで気づいたこと

・その他、気づいたこと、何でも思ったこと

を示した。

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400字詰めの原稿用紙1枚以上、2枚以内を量的な目標とした。

早い子で30分程で1枚ちょっとを書き上げた。

早くできた子には、『今回の感想文と初発の感想を比べて思ったこと』を付箋に書いて、原稿用紙に貼るように言った。

この時間で書き切れない子が7人いたため、次の日に延長の20分間を取った。

書けた子には、友達と作文を交換し、コメントを付箋に書いて相手の原稿用紙に貼る学習をさせた。

20分の延長でまだ書けない子が2人いて、昼休みと放課後に書かせた。授業中はボーッとして原稿用紙に向かえていなかったのが、あっという間に書いて出していた。

放課後に子どもたちの感想文を読んだ。

まず、全体的な印象であるが、無難にまとまっている。「すばらしい」と思えるものはなく、「これはきびしい」と思えるものもなかった。

全員が、自分の体験と比較しながら主人公「ひろし」の心情を捉え、感想を書くことができていた。これは一つの成果であった。

全員がAと言えばAだが、全員Bとも判断できる。

ありきたりな感想もあれば、主人公の小さな心の動きに目をつけて独自の見方で自分の考えを書いている子もいる。ただ、これはそれぞれの主観なので、優劣をつけられる部分ではない。

5時間目の会話の後の感想が子どもたちの学びにあふれていたので、ちょっと期待しすぎてしまったかもしれない。

今回、全員が自分の体験とかかわらせて感想文を書けたということは、青線や赤線で「分かる」「分からない」に印をつけたり、友達と線を見比べて会話をしたことが効果的であったことを裏付けるものであったと考えている。

またごく少数ではあるが、「けんかしてもすぐあやまるようにしたい。」「お父さんが怒るのは僕の将来のことを思って怒っている。」「人の気持ちを分かってあげられる人間になりたい。」など、自分の生活を振り返るような記述をしている子が見られたのも小さな成果として付け加えたい。

 

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