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6年国語「カレーライス」実践編3

この単元の標準的な時間数は6時間。うち1時間は感想を書く時間で「読む」に充てられる時間は5時間である。今日はすでに3時間目。

 
今日は国語の時間に身体測定が重なってしまった。しかし「カレーライス」の授業は進める。今日の課題。
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ひろしの気持ちの「分かる」に赤線、「分からない」に青線を引こう。
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これだけでは意味が分からないので具体的な説明を加える。
「カレーライス」の1〜2行目を読む。
 『ぼくは悪くない。だから、絶対に「ごめんなさい」は言わない。言うもんか。お父さんなんかに。』
『例えば、今読んだこんな気持ちが「分かるなあ」「自分もそういう気持ちになったことがあるなあ」という人はこの文に赤鉛筆で線を引きます。「分からないなあ」「どうしてこんな風に思うのかなあ」という人は青鉛筆で線を引きます。』
子どもたちはすぐに線を引き始めた。
『今日はP14とP15だけやってみましょう。』
と言って後は自分で進めるように言った。
終わった人は音読を2回してその後は読書をするように指示して、すぐに男子を連れて身体測定に行く。6年生3クラスの男子の測定が終わって、次は女子。身体測定が終わって教室に戻ると時間の残りは15分。
ほとんどの子が線を引き終わって音読をしている。まだ線を引いている子に助言をして、全員が書き終わったのを確認した所で残り10分。子どもたちに指示を出す。
『今から席を立って誰とでもいいから、教科書に引いた線を見せ合って話をしてみましょう。特に色が違っている所では、どうして違いができたのかをお互いの気持ちを聞き合って確かめてみましょう。』
1分程、固い動きだったが、『座っている人は立って相手を探しましょう。』『2人でも3人でもいいから相手を見つけて見せ合いましょう。』などと促すと、3つ、4つ、5つとペアやグループができていき、話し声が聞こえてきた。2、3分もすると楽しそうな声も聞こえてくるようになった。私はある2人の子が心配で教室の中を探すと、運よくその2人でペアを作っていた。お互いの教科書を見ると、これまた運よく最初の色から違っている。
『A君はどうしてここを青にしたの?』と私が聞き出す。
「だって、僕コンピュータでゲームしていて電気が切れてセーブできなかったことがあったけど、そんなに怒らなかったもん。」
『じゃあ、B君はどうして赤にしたの?』
「ぼくも、お母さんに電源を切られたことあったけど、めっちゃ腹立ったから。」
2人が自分の経験を自然に話し出したことはうれしい驚きだった。
ただ、この2人は私がいないと会話が進まず、最後まで私が進行役となって話を進めた。
2分程を残して席に着くように言った。今日の学習の振り返りを行う。
『今日、教科書に赤と青の線が引けた人?』
もちろん、全員が手を挙げた。
『今日の学習は線が引けたら合格です。』(課題が「線を引こう」だから、引けたら合格なのである。)
『では今日、友達と線を見せ合って会話ができた人?』
28人中27人が手を挙げた。1人だけ手を挙げなかった子は、だれにも合わないように教室をうろうろ逃げ回っていたらしい。今後、マークが必要である。
『もう一つ聞かせてください。今日、友達との会話の中で自分の経験を話した人?』
約半分の15人が手を挙げた。中には先程のA君とB君もいて二人ともちょっと誇らしげだった。
『この後も同じように線を引いたり、会話をしたりしながら進めて行きますが、その中で自分の経験を話したり、友達の経験を聞いたりしながら、ひろしの気持ちをとらえていきましょう。最後には自分の考えを感想文にしてまとめていきます。』
慌ただしい授業だったが、次の時間への布石を打ち、若干の手応えを感じながら本日の「カレーライス」終了。
 
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5分で身体測定に行かなければいけないため慌てて書きなぐった板書
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